土踏まずを持ち上げてはいけないのはなぜか?

私は小学校2年生の頃から
野球に打ち込んでいました。

その頃やっていた練習方法は今では、
やってはいけないと言われているものが、結構あります。

例えばうさぎ跳び。
今では膝を壊すと言うことで、
絶対にやらせません。

しかし私たちは、
ガンガンやっていた最後の世代です。

その他にも、
練習中は水を飲んではいけないとか、
プールは体が冷えるから入ってはいけないなど、

今では笑い話になるような事が、
昔は当然のように言われていました。

今は様々なことが科学的に
解明されてきたおかげで笑える話です。

しかし、それと同じようなことが
足の治療では今だに行われていることが、
たくさんあるのです。

今日は、その1つの例を挙げてお話します。

私の治療院は足に専門性がある、
ということもあって全国から、
足に悩みを抱えた患者さんがやってきます。

それらの患者さんはそれまでに、
他のいろんな治療院に行って、
治療受けてきている方が殆どです。

そしてそんな方の中に、一定の割合で
インソール(オーソティクス)を
処方されている方がお越しになるのです。

インソールを利用しようという考え自体に、
問題はありません。私達も使用しています。

しかし残念なのは、私たちから見れば
全く理にかなっていない
むしろマイナスになるようなものを
使用している方が結構おられるのです。

その最たるものが、
土踏まずを持ち上げている、
「アーチサポート型」のインソール。

これは意外に整形外科のお医者さんが、
処方している場合が多いです。

これを使用している場合、
当治療院ではすぐに外して、
元に戻してもらっています。

足に、良くないからです。

それはなぜか。

一言でいうと、土踏まずを持ち上げてはダメだからです。

土踏まずは必要です。無いと足の機能的に困ります。
ただし、下から何かで支えて持ち上げて作っては、
いけないのです。それでは意味がないのです。

もう少し詳しく説明してみると、
土踏まずというものは、
足の衝撃吸収を担う機構になっています。

それはどう行われるかというと、
着地の瞬間、土踏まずが崩れ潰れて、
たいらになることによって、
衝撃を吸収するようになっているのです。

そして着地が終わった瞬間に、
その潰れた土踏まずは、
元の形に再形成されます。

これを専門的には、
プロネーションとスピネーションの動き、
と言います。

人間の足は、これを繰り返して歩いているのです。

ということは、土踏まずは
「潰れるためにある」と言えるのです。

もし下から何かで支えて、
土踏まずを作ってしまったとすればどうでしょう。

アーチの形にはなりますが、
潰れることができない。

という事は、土踏まずの機能の意味が、
あるのでしょうか。

例えば、バネは伸び縮みすることに意味があります。
もしバネの間を、全部何コンクリート等で埋めてしまえば、
それはもうバネとは呼べないでしょう。
それと同じ話になります 。

もう一度お伝えしておきます。

土踏まずは、
持ち上がっていることで
機能を果たしているのではなく、

持ち上がった状態から、
潰れることで機能を果たしているのです。

このことは、足の生体構造力学的に言えば、
最も基礎的な足の働きの話です。

しかし病院のドクターや治療家の方でも、
このことを理解していない方が、
残念ながらとても多いのです。

なので、土踏まずを持ち上げる
「アーチサポート型のインソール」
などを処方してしまうのです。

その構造が、どんな働きのためにあるのか、
という考えではなく、
正しい形にとにかく寄せる
という考え方のもとに、
治療してしまうために
こうなるのではないでしょうか。

するとどうなるか。

この場合足のパフォーマンスは出ますが、
衝撃を抜けないため、
足はどんどん痛んでいきます、、、。

多分もう何年かすればこのことも、
昔のうさぎ跳びのように、
笑い話になる日が来るはずです。
が、今のところまだそれは遠いようで残念です