足指トレーニングの害

今回も、よくある足の間違いの話。

外反母趾の患者さんが
よく勘違いされていることの1つに
「足の指を鍛えれば、外反母趾は治る」
というものがあります。

これは、外反母趾は足の指が
「退化」して、弱ってなっているのであり
指をちゃんと鍛えて使うようにすれば、
元に戻ると思っていることから来ているものもの。

これ、大きな誤解です。

足の指をいくら鍛えたって、
外反母趾は良くなりません。

外反母趾は、オーバープロネーション
という、足の骨格が「緩んだ」状態で、
なおかつ足の指を使いすぎて歩くと発生します。

なので改善には、オーバープロネーション
を修正することはもちろん必要。

そしてその過程の中で、どちらかと言うと
「足指をもっと使いましょう」と言うことではなく
「足指は休ませましょう、過剰に使うのやめましょう」
というのが、改善の方向です。

大体、足の指に力を入れて
負荷をかけてトレーニングすれば
外反母趾が治るのであれば、
ハイヒールを履けば、
外反母趾は良くなる、
と言うことになるはず。

もちろん、そんな事はありませんよね。

ハイヒールはその尖った形状のせいで
外反母趾になるのではありません。

その形状上、前に荷重することにより
意図せずオーバープロネーションになり
なおかつ足の指を酷使する形になるから、
外反母趾になるのです。

これを専門知識のない患者さんが、
ネットなどの情報を鵜呑みにして
やってしまうのは、
ある意味仕方のない事でもあります。

しかし今の日本はまだ、
プロの治療家ですら、こういうことを
教えてしまっている状態。

なのでもし皆さんが、患者さんに
つま先立ちのトレーニングや
タオルつかみやグーパー運動などを
オススメしていれば、すぐに
中止してもらいたいです。

そしてこれらのトレーニングの害は、
外反母趾の方にだけ
と言う事ではありません。

その他の足の様々な症状にも
つながってしまう動きなのです。

なぜなら、歩くと言う動作の中に
足指を「握る」「つかむ」等と言う
動作は入っていないから。

なのにそんな動作でトレーニングすると、
その動きが癖になります。

これは、私自身が昔足を悪くしたときに
教えられて、その後そのせいで苦労したので、
実体験としてもわかります。

歩く中で「握る」と言う、
余分な動作をしてしまい
それがハンマートゥーや
巻き爪やふくらはぎのむくみ、
もっと言えば姿勢全体の前傾にも
つながっていくのです。

これらの余分なトレーニングを止めるだけで
膝の痛みや股関節の痛みが、
大幅に軽減することは、よくあること。

間違ったことを教えることにより
せっかくのあなたの治療が
台無しになっている。

そんなことも大いにあり得るのです。