もしあなたが大きな組織の中のある一部門の責任者であれば、

かかる費用についてはできるだけ抑え、

それでいて大きな成果を上げることに注力していればいいでしょう。

 

しかし経営者ともなれば、そのような思考だけでは

ドンドン衰退していってしまうことが、しばしばあります。

その最たるものが広告宣伝費です。

 

それは一体どういうことなのか、詳しく解説します。

 

会社は利益で回っており、利益は大まかには

売上から費用を引いたものが、それにあたります。

そう考えれば、利益を出すためには費用はできるだけ小さいほうが良い、

そう考えるのは当然でしょう。

 

しかし経営においてはそうとも言い切れない部分があって、

治療院などの小さな会社の経営者の中には、

そのあたりが見えていない方が多くおられます。

費用が少なければ…、と考えれば、無駄を省こうという考え方になります。

もう少し細かく言うと、無くしても売上に影響の出ないもを無くす、

とでも言いましょうか。

 

しかしそれでは、例えば投資的な費用はどうでしょうか。

売上へのすぐの効果だけでいえば、影響はないかもしれません。

しかし先々においての先手だとすれば、必要ということになります。

またすべての対策が成功する、ということはあり得ません。

たくさんの対策を打つからこそ、失敗の中から一定の割合で成功が出てくるものです。

 

ではその「成功のための失敗」はどう考えればればいいでしょうか。

もしそれは無駄だという考え方をするのであれば、

過去に成功している対策以外は打てないことになります。

そしてそんな費用の最たるものが、広告宣伝費です。

広告宣伝費は失敗したらとても無駄に思える。

また当たっているときは減らしてしまいたい。

しかしその失敗が先の成功に必要で、当たっている時こそ

更に顧客を抱えるため、またその先の新しい集客ラインの開発のために

投資しておくことが重要なのです。

 

いかがでしょうか。

 

全く寄り道も失敗のない人生がないように、経営においても

一定の失敗や挑戦が成功へと繋がっています。

ユニクロの経営者の柳井氏はその著書で、

「成功と失敗は一勝九敗ぐらい」とまで言っています。

言い方を変えれば、どんな時も常に一定の「失敗に充てる費用」こそが、

先の成功につながっている、とも言えます。

しかし全権を握る経営者になると、多くの方が無駄は惜しい、

失敗はしたくないと思ってしまいます。

そうやってとにかく出ていくお金を抑えよう抑えようとし勝ちです。

 

あなたも振り返ってみて、そんな傾向にはないですか?

もしそうだとすれば、それはすでに衰退への道に入っていると言えるでしょう。