ビジネスで使われるダブルバインドとは簡単に言えば、
「どちらを選んでもイエスと答えることになってしまう条件提示」というもので、
商談の最後のクロージングなどで非常に力を発揮します。
うまく使いこなすと様々な場面で役立ちますので、解説してみます。
ダブルバインドとは本来、矛盾した二つのメッセージで
相手を混乱させ服従せざるを得ない状況にさせることです。
例えば上司が部下に「わからないことは何でも聞いてきなさい」といっておいて、
いざわからないことを聞いてみると
「そんなこともわからないのか」というようなことを指します。
こんなことが続けば、部下はどうすればいいのかわからず、
精神疾患につながるほどの圧力を受けるのです。
元々は統合失調症の子供を調べたことから発見された心理的仕組みです。
こう聞くと何か物騒な話ですが、
ビジネス上で使われているダブルバインドは危険なものではありません。
どういうものかというと、
どちらを選んでもイエスと答えていることになる条件提示、
という使われ方をしているものです。
治療院などでの具体的な例を挙げると
「では10回の回数券と15回の回数券、どちらにされますか」というもの。
もし消費者がまだ回数券自体を
買おうかどうか迷っている段階だとすれば、
この提示の仕方をされると自動的に、
どちらを選んでも回数の違いがあるだけで
「イエス」という答えになるようになっています。
このような提示のされ方をすると、
それを覆して「いや、いらないです」とは言いにくいもの。
なので最後のクロージング等でよく使われる手法です。
他ページで紹介している明示的・暗示的説得にも通じるものがあり、
明示的に持ち掛けたいけどもう少しオブラートに包みたい、
みたいなときに非常に役立ちます。
他には「赤色と青色、どちらにされますか?」や
「現金払いとクレジットカード払い、どちらにされますか?」
「次のご予約は今週末か来週初めか、どちらがよろしいですか?」
などがそうです。
様々な活用の仕方が考えられますね。
非常に力のある心理学の原則ですが、
これを乱発するとやはり押し売り感が強くなりますので、
注意が必要です。
なのでまず、そもそものそのサービスや商品自体を
欲しくさせることに全力を注ぎ、
欲しくなった方への最後の声掛けや決め手として、使うとよいでしょう。