経営判断はスピードが重要です。
いくら正しい選択をできたとしても、
時間がかかりすぎては手遅れになることは多々あります。
だからといって、拙速に過ぎて判断を間違えたくもない。
その結果ついつい必要以上に時間をかけすぎて、
チャンスを逃してしまう経営者の方も、
おられるのではないでしょうか。
例えば、良いと思われる技術を導入しようとして、
他院の動向を見極めようと待ってしまい、
早く決断していれば得られるはずの
莫大な先行者利益を得られない、などがそれにあたります。
今回お伝えするのはそうならないための、
判断時の心構えのようなものです。
例えば結婚相手を探す、ということに置き換えて説明してみます。
この人と結婚すれば幸せ確定、という相手というものは、
そもそも存在しませんよね。
もちろん最初にある程度の選別(?)はしておいたほうが、
幸せになる確率は上がりますし、その後も楽でかもしれません。
しかしいくら高スペックでぴったりな相手を見つけられたとしても、
重要なのはその後ではないでしょうか。
幸せになる、幸せでい続けるのは、その後の二人の
努力次第なのは、言うまでもありません。
これもどんなことにも共通で、経営判断も同じことが言えます。
ある程度の選択肢まで絞ったら、
そこから先は「どれを選んだら一番良いか」に
時間をかけ見極めようとするよりも、
早々にどれかを選び「この選択を正解にする努力」に
一生懸命になる方が、効果的な場合が多いのです。
先の技術導入の例えに戻ってみます。
その技術が良いと判断したなら、他院の出方や顔色をうかがってしまえば、
大きな失敗はしないかもしれないけど、大きな成功のチャンスも失う。
それぐらいであれば早々に決断し、それを使いこなすことに
必死になって努力をしたほうが、抜きんでられる可能性は高いということです。
それにそもそも、その決断が良かったのかどうかというのは、
最終的には死ぬまでわからないのではないでしょうか。
私は商業高校出身で簿記の資格を持っていますが、
もともと独立を見据えて取ったものではありません。
しかしおかげさまで今はフル活用させてもらっていて、
商業高校行って良かった、と最近思っています。
こういうのを
「禍福は糾える縄のごとし」
「人間万事塞翁が馬」
などといいますが、
オセロのようにその後打つ手で、
どうにでひっくり返すことができるものだと実感しています。
選択や決断に時間がかかりズルズル行くと、
非常に嫌なたとえになってしまいますが、
「行き遅れる」なんてことになりかねません。
正解かどうかは判断の時点で決まってしまい、
その後動かせないものではなく、
その後のあなたの行動・努力次第でいくらでも変えられる、
ということを忘れないでください。
もしもあなたが、今回の話でいうところの
「ある程度の選別」
「ある程度の選択肢までの絞り込み」に
そもそも不安があるのなら、
それは先見性を磨いてこれていないということです。
先見性については別ページで解説していますので、参考になさってください。