前回の⑦比較という状態は非常に重要で、
しかし誤解されがちなパートなので解説が長くなりました。
残念ながら、この先の⑦~⑫あたりは多くの方が力を抜いてしまっている、
しかしうまくやれば固定客を作ることができる需要なパートなので、
詳しくご説明していきます。
適切な比較の打消しができていれば、
消費者は次の⑦決意という状態に移ります。
⑧は決定なのですが、
⑦決意と⑧決定でなぜ分かれているかというと、
そこに思っているよりも大きな壁があるので、
敢えてそこで分けているのです。
簡単に言えば
⑦決意は「買おう」、
⑧決定は「買った」。
もう少し具体的な例でいうと「予約」と「購入」の違い、
みたいに捉えてもらえるとわかりやすいかもしれません。
せっかくあなたのサービスを欲しくなって
「買おう」と思ってくれた方を、
できるだけ実際の購買につなげたいもの。
しかしそこには意外に大きなハードルがあります。
その中のもっとも重要なものは、
「時間の経過による意欲の低下」です。
ドイツの心理学者エビングハウスによると、
人間は話を聞いた(読んだ)直後に比べ、
一日経つと74%の内容は忘れているといっています
(エビングハウスの忘却曲線)。
当然それにより意欲も低下し、
本来必要だったはずのものを忘れたせいで
「やっぱりいらない」と感じてしまうのです。
それは消費者にとっても必要だと気づいたものを買えない、
ということになるので、良いことだとは言えません。
ではこれを防止するにはどうすべきかというと、
最もシンプルな対策は「早期納品」「早期回収」です。
営業的な言い方でいうとできるだけ早く商品を渡してしまい、
できるだけ早く代金を回収してしまうことです。
受け取ってしまった、払ってしまったものを返すというのは、
それはそれでまた消費者にとってエネルギーがいるもの。
なのでそこまで早く持っていくのです。
要するにその⑦決意が
実行された状態が⑧決定、ということです。
これは営業マンの鉄則ですがここだけをクローズアップすると、
何か押し売りのように聞こえるかもしれませんね。
しかし実際はそうではなく、このタイミングで
無駄にだらだらすると適切な売買行為ができず、
販売者側にとっても消費者側にとっても
不利益になりますよ、というだけの話です。
そしてもう一つ対策をお伝えしておくと、
「強い購買決意を作る」ということにつきます。
簡単に言えば消費者の⑦決意を、
「買おっかな~」ぐらいの決意ではなく
「絶対買う!」ぐらいまでもっていっておくと、
時間の忘却を計算に入れてもきちんと
⑧決定にまでつながります。
私はこちらに力を入れていますが、
どうすればそれができるかは至ってシンプル。
これまで①~⑦の流れを、ギリギリの水準ではなく
高い水準でクリアしていくことを心がけることです。
要するに消費者がちょっと欲しくなった、
ぐらいですぐに販売しようと焦らず、
しっかり深く強く欲しいと思ってもらうよう、
流れをくむということになります。
こうしてここまで来てあなたのサービスや
商品が売れたとしましょう。
実はここからがものすごく重要なのです。
しかし多くの方が
「釣った魚にエサは…」的になってしまい気を配らず、
次の魚を探しがちです。
なので次の⑨信用⑩満足という状態を、次回ご説明します。