人間は自分の言動や態度について、
一貫性を持たせたいという心理が働く様にできており、
これを「一貫性の法則」といいます。
具体的に言うと、あなたは誰かと交わした約束があれば、
それを守ろう・守りたいと思うはず。
そんなのあたりまえと思うかもしれませんが、
例えば言っていることとやっていることがちぐはぐだと不快に感じ、
言った通りにしたいと思う裏にはこの、
一貫性の原理が働いているのです。
これをあなたがビジネスに取り入れるには、
取り入れやすいものが大きく二つのあります。
まず一つ目はあなた自身に対してのもの。
先ほどの例にあげた、言ったことを守りたいという
心の働きを利用し、掲げた目標を書いて張り出したり、
様々な人に言うようにするのです。
そうすればそれを守りたい、達成したい、
ウソつきでないと証明したいという心理が強く働き、
あなたの行動への強いモチベーションになるのです。
だからこそ逆を言えば、その制約から逃れるため人は
目標を公言したくない、とも言えます。
しかし上司などがなくただでさえ縛りのゆるい経営者が、
そんなことから逃げている場合ではありません。
この心理は公にすればするほど強く働くので、
様々な場面で多くの方に目標を公表するようにしましょう。
次にご紹介するのは消費者に対してのもの。
実践的に使える治療院のケースで例えを出してみます。
まず「健康って大切ですよね」いわば当たり前という話で
共感を作っておきます。
次に例えばその人の問題ではない
「肥満が健康に悪い」という話などで
「食事も減らさず、運動もせず、お金もかけず痩せたいという人がいて…」
「そんなの無理ですよね~、都合よすぎますよね~、
努力やお金や時間はいりますよね。」と共感を作っておきます。
その後その人の問題である肩こりについて
「努力やお金や時間はいりますよね」と持っていくと、
相手は肥満という自分に関係のない話のときに
肯定しているので一貫性の原理が働き、
同じ健康上の問題の肩こりの時にだけ「それは違う」とは言いにくいのです。
これはテクニックであると同時に、
患者さんの自己矛盾に気付かせてあげる、
非常に建設的な使い方であるとも言えます。
ポイントは本題に入る前に一手間かけて段階を踏んで、
そこからその人の話に持っていくことです。
要は事前の準備です。
この二つはさっそく取り入れることができますし、
使っていくとドンドン応用的に使えるようになっていきます。
なのでうまく使おうとせず、まずはどうにかして使ってみることです。