カクテルパーティーの様に、たくさんの人が話をしているような場所でも、

自分の名前や興味のある話はなぜか聞き取ることができたりします。

 

これは情報処理が過多にならないように、

不必要な情報は遮断し、必要な情報をを取り入れるという、

人体に備わったある種の防衛反応の表れだと言われています。

 

これをビジネスの世界で応用しているのが

カクテルパーティー効果

別名「音声の選択的聴取」といいます。

うまく使えば相手との距離を

速く縮めることなどに役立ちますので、解説してみます。

 

いくらあなたが消費者にとって有益で必要な話をしていたとしても、

そのすべてが伝わっているわけではありません。

むしろ様々な理由で半分以上は伝わっていない、

覚えていないと思っておいた方が良いでしょう。

そんな中、相手に注意を向けてもらい、しっかり聞いてもらい、

印象に残すやり方があります。

 

それがカクテルパーティー効果を使ったやり方です。

 

一番単純なやり方は、相手の名前を覚え話すときに

お客様や患者さんなどとは呼ばず、

「鈴木さんに必要なのは」

「高橋さんの症状は」等と名前で呼ぶことです。

相手は自分の名前を呼ばれると自然に注意を向けるようになる、

というのは数々の心理学の実験でも明らかになっています。

 

注意を向けてもらえれば、その分その先の話は伝わりやすく、

覚えておいてもらいやすくなります。親近感を持ってもらったり、

覚えてくれている・興味を持ってくれているという

印象も与えられますし、なので相手の名前を覚えて名前で呼ぶ、

というのは営業マンの基礎中の基礎とされるのです。

 

またこのカクテルパーティー効果的には

「ここがポイントになります」や

「重要なのはこれからです」などといって始めるのも、

同じように効果的です。

しかし連発してしまうと効果が薄れてしまうので、注意してください。

 

更にこれは文章を書くときでも同じ様に使えます。

しかし不特定多数の方に向けた文章の場合、

個人名を出して書くわけにはいきません。

このような場合は主語を「あなた」にすることが有効です。

例えば「皆さん」などにしてしまうと、

読んでいる人にとって「私に向けた感じ」が薄くなってしまいます。

それに対して「あなた」ですとその「私に向けた感じ」が強くなり、

しっかり伝わりやすくなるのです。

 

これをライティング用語で「ユー(YOU)・メッセージ」といいます。

このようにこのカクテルパーティー効果を利用した

ちょっとした工夫や気遣いで、

あなたの伝えたいことが伝わりやすくなります。

ぜひうまく活用してみてください。